
特別な日のディナーに「肉汁したたる分厚い牛肉ステーキを食べたい!」と思う方も多いのではないでしょうか?しかし、いざ家庭でステーキを焼いてみると、肉の中心が冷たいままだったり、逆に表面が黒焦げになってしまったりしがちですよね。特に厚切り肉となると、上手に焼くことはさらに難しいものです。
そこで今回は、分厚い牛肉ステーキのおいしい焼き方をご紹介します。上質な厚切り肉が手に入った際には、ぜひ参考にしてください。
【下準備】解凍と塩コショウのタイミング
厚切り肉をおいしく焼くためには、焼く前の下準備が重要です。
まず冷凍肉の場合は、前日のうちに冷蔵庫の冷凍室から冷蔵室へ移しておきましょう。そして、冷蔵室でゆっくりと自然解凍した冷凍肉も、元々冷蔵室で保管していた肉も、必ず常温に戻します。室内に30分から1時間ほど置き、肉の中心部までしっかりと常温に戻すことがポイントです。ショックフリーザーで瞬間冷凍した牛肉の場合、解凍後に肉汁(ドリップ)はほとんど出ませんが、冷凍方法や元々の肉質によっては長時間常温で放置すると脂が溶けてしまうこともあります。また、肉が常温に戻るまでの時間は肉質や気温によって異なるため、こまめに肉の状態を見ることが大切です。
そして、塩コショウは焼く直前にふることも大切なポイントです。肉に塩をふった後に長時間放置すると、塩の脱水作用により肉汁が流れ出て、肉のうま味成分が失われてしまいます。コショウも、肉を焼く直前に掛けると香りが生きるため、塩コショウは肉をフライパンに乗せる直前にふりましょう。

【道具】フライパンとお皿

下準備と同様に、肉を焼く道具も重要です。ステーキをおいしく焼くためには、鉄製の分厚いフライパンが一番です。熱伝導にムラがないため均一に熱が入り、綺麗な焼き色が付きます。鉄製のフライパンがない場合はセラミックコーティングのものでも大丈夫です。
また、ステーキを盛り付けるお皿は、お湯を掛けるなどしてあらかじめ温めておきましょう。冷たいままのお皿にステーキを盛り付けてしまうと、肉の温度が急激に下がり、味が落ちます。鉄製のステーキ皿を持っている場合はぜひ使用してください。
【焼き方】火加減が重要!
厚切り牛肉ステーキのおいしい焼き方を、3つの工程に分けてご紹介します。
1.予熱をせずに、弱めの火加減でじっくり焼き始める
フライパンを使用して料理をする際、食材をフライパンに乗せる前に予熱を入れてフライパンを温めることが多いと思います。しかし今回ご紹介する方法の場合、予熱は不要です。フライパンに肉を載せてからコンロに火を付けてください。
焼き始めの火加減も重要です。各家庭のコンロにもよりますが、初めは弱めの中火~弱火に設定します。フライパンの底面に炎が当たるか当たらないか程度を目安にすると良いでしょう。
ステーキを焼く際はまず強火で表面に焼き色を付けるというイメージが強いかもしれませんが、厚さが2cm以上の厚切り肉をいきなり強い火で焼いてしまうと、中まで火が通らないうちに表面が焦げてしまいます。厚切り肉を焼く際は、弱めの火加減でじっくりと焼き始めましょう。

2.両面を焼いたら、肉を一旦休ませる
火を付けてから5分ほど経つと、肉の底面が白くなってきます。下から3分の1程度が白くなったら、肉を裏返してください。裏面も同様に5分ほど焼きます。
肉の表面に肉汁が浮き出ていることを確認したら、一旦火を止めてフライパンから肉を取り出します。肉をバットやまな板の上で休ませることにより、肉の表面の熱が中まで伝わり、しっかりと火が通ります。また肉汁も肉全体に染み渡り、ジューシーな仕上がりになります。
3.仕上げとして表面に焼き色を付ける
休ませた肉は冷めないうちにフライパンへ戻します。仕上げとして、食欲をそそるような焼き色を付けましょう。強火で20秒、裏面は10秒で十分です。
焼きあがった厚切り肉をお皿に盛り付ければ、おいしい厚切りステーキの完成です。
おわりに
上記でご紹介した方法で厚切り肉を焼けば、高級レストラン顔負けのジューシーな分厚いステーキを家庭でも焼くことができます。じっくり時間を掛けて焼いて、おいしい厚切り牛肉ステーキを味わってください。