
同じ牛からとった肉であっても、部位によってカロリーに倍以上の差があることはご存知でしょうか?実は、牛肉は部位によってカロリーに大きな差があります。
そこで今回は、和牛の部位別カロリーについてご紹介します。
和牛の各部位の特徴とカロリー一覧
文部科学省が公表している日本食品標準成分表のデータを基にして、和牛100gあたりのカロリーを一覧にまとめました。
なお「脂身つき」とは、皮下脂肪(牛の皮膚の下に付いている脂肪)も筋間脂肪(肉の中に筋状に走っている脂肪)も付いた状態の肉のことです。側面に白い脂が付き、赤身に霜降りが入ったステーキ用の肉を思い浮かべていただければ良いでしょう。「皮下脂肪なし」は皮下脂肪を取り除き筋間脂肪は残した肉のこと、「赤肉」は皮下脂肪と筋間脂肪を取り除いた状態の肉のことを指します。
【1】かた
牛の肩の部分の肉です。肉質は柔らかい部分と固い部分が混在していますが、全体的にはやや固めです。
- かた/脂身つき 286kcal
- かた/皮下脂肪なし 265kcal
- かた/赤肉 201kcal
【2】かたロース
肩に近い背中の部分の肉です。適度に脂肪がのっており、霜降りもあるため、幅広い料理に利用できます。
- かたロース/脂身つき 411kcal
- かたロース/皮下脂肪なし 403kcal
- かたロース/赤肉 316kcal
【3】リブロース
肋骨(リブ)の背中側に付いている部分です。脂肪が多く、最も霜降りの多い部位です。焼き料理に利用されます。
- リブロース/脂身つき 468kcal
- リブロース/皮下脂肪なし 452kcal
- リブロース/赤肉 331kcal
【4】サーロイン
サーロインもリブロースと同じく、肋骨の背中側に付いている部分です。リブロースが肩寄りであるのに対して、サーロインはもも寄りの肉です。肉質はきめが細かくて霜降りが多く、柔らかいのが特徴です。風味も良く、旨味も強いため、ステーキに使われる代表的な部位です。
- サーロイン/脂身つき 498kcal
- サーロイン/皮下脂肪なし 456kcal
- サーロイン/赤肉 317kcal
【5】ヒレ
サーロインの内側の部分です。テンダーロインとも呼ばれます。最も筋肉が動かない部位のため、肉質は9つの部位の中で1番柔らかく、旨味が富んでいるにも関わらず低カロリーという上質な部位です。
- ヒレ/赤肉 223kcal
【6】ばら
腹部分の肉で、肩の下の「かたばら」と、ロースの下の「ともばら」の2カ所からなっています。「三枚肉」とも呼ばれ、かたばら、ともばら共に濃厚な風味があることが特徴です。
- ばら/脂身つき 517kcal
【7】もも
外側のももの部分で、ももよりも肉質は固めです。
- そともも/脂身つき 265kcal
- そともも/皮下脂肪なし 237kcal
- そともも/赤肉 172kcal
【9】ランプ
牛のお尻部分の肉です。きめが細かくてクセがなく、味も良いです。脂肪分は少ないですが柔らかいため、焼き料理に適しています。
- ランプ/脂身つき 347kcal
- ランプ/皮下脂肪なし 318kcal
- ランプ/赤肉 211kcal

最もカロリーが低い部位はどれ?

上記でまとめた中で最もカロリーが低い肉は「そともも/赤肉」です。ダイエット中でできる限りカロリーを抑えたい場合は、そとももの赤肉を選んでください。赤肉が手に入らない場合は、皮下脂肪・筋間脂肪を調理前に取り除きましょう。
ただし、脂身つき・皮下脂肪なしの状態で最もカロリーが低い肉は「もも」であるため、ダイエット中でも霜降り肉を食べたい場合はももを選ぶことをおすすめします。
和牛のカロリーを抑えてくれる調理方法

上記でご紹介した肉のカロリーは、すべて生の状態のカロリーです。肉は調理方法によってもカロリーが大きく異なります。
カロリーカット率が高い牛肉の調理方法は、「網の上で焼く」と「茹でる」の2つです。肉の部位や状態にもよりますが、5パーセントから25パーセントものカロリーカットができます。焼肉やしゃぶしゃぶは、ごちそう感が高くておいしいだけではなく、カロリーも抑えてくれる優秀な食べ方ということです。
おわりに
一般的に「和牛=綺麗な霜降り肉」というイメージがあるため、和牛はカロリーが高いと思っている方も多いかもしれません。健康やダイエットを意識して低カロリーの食事を心掛けている方の中には、牛肉を食べることを控えている方もいらっしゃるでしょう。しかし、牛肉には良質なたんぱく質が豊富に含まれているため、牛肉を控えることは体のためにもよくありません。
牛肉を食べながら健康的な体やスリムな体になりたい場合は、カロリーの少ない部位を選んでみてはいかがでしょうか。