
調理で余った肉を冷凍したり、あらかじめ冷凍された肉を買ったりする機会は多いと思います。しかし、いざ冷凍された肉を調理しようとした際に、「どうやって解凍したらいいのか」悩んだことはありませんか?間違った解凍方法のせいで、せっかくの美味しい肉の味を落としてしまうことは避けたいものです。
そこで今回は、冷凍肉の解凍方法と、冷凍肉を美味しく調理するためのポイントをご紹介します。
意外と知らない?冷凍肉の正しい解凍方法
冷凍肉の美味しさを損なわないよう解凍するためには、「ドリップ」の量を最小限に抑えることが重要です。ドリップとは肉を解凍した際に出る赤い液体のことで、肉のうま味が詰まっています。つまり、ドリップがたくさん出ている肉は、それだけうま味が流出しているということです。
ドリップを最小限にとどめる解凍方法は、「自然解凍」です。自然解凍と聞いて室温で解凍しようと考える方もいますが、室温で解凍すると菌が繁殖し、肉を傷めてしまうことがあります。肉の自然解凍は、冷蔵庫の冷蔵室で行いましょう。調理する前日の夜までに肉を冷凍室から冷蔵室へ移し、ゆっくり解凍してください。

急いでいるときの解凍方法

急いでいて、自然解凍を待つ時間が取れないこともあるかもしれません。そのような場合に適した方法が「流水解凍」と「電子レンジ解凍」です。
流水解凍は水に浸したり、流水に当てたりすることで冷凍肉を解凍する解凍方法です。ボールなどの容器に水を張り、袋に密封した肉を浸してください。解凍する肉の量が少ない場合はそのまま少しの間浸しておくだけで解凍できます。肉の量が多い場合や急いでいる場合は、肉を浸した容器に水を流しながら解凍しましょう。
電子レンジ解凍は、本当に時間がない時の最終手段です。レンジで解凍する際は皿にキッチンペーパーを敷き、その上に包装をすべて取り除いた肉を乗せます。ラップなども必要ありません。自宅の電子レンジに解凍機能が付いている場合は、解凍機能を使用しましょう。加熱機能のみの電子レンジを使用している場合はワット数を1番低く設定し、短時間ずつ様子を見ながら加熱してください。
しかし、これらの方法は肉の品質を劣化させてしまう恐れがあるため、急ぎの場合以外にはおすすめできません。
解凍した肉を調理する際のポイント
冷凍肉をより美味しく調理するためのポイントを2つご紹介します。
1つめのポイントは、完全に解けきる直前に調理をすることです。冷凍肉が完全に解けきると、多くのドリップが出てしまいます。ドリップの量を少しでも減らすためには、完全に肉が解けきってドリップがあふれ出す前に調理する必要があるのです。
初めのうちはどのタイミングで調理を開始すれば良いのか判断に困るかもしれませんが、指で触れて解け具合を確認し、解けきる直前のタイミングを見極めてください。
2つめのポイントは、調理前に常温になじませておくことです。肉を焼いたときに硬くなってしまった経験はありませんか?これは、肉の温度と加熱温度の差が大きいため、肉の繊維が締まってしまったことが原因です。柔らかさを損なわずに牛肉を調理するためには、調理する5~10分程前から常温になじませておきましょう。

おわりに
今回は、冷凍肉の解凍方法と冷凍肉を美味しく調理するポイントについてご紹介しました。
肉のうま味を損なわずに解凍するなら、やはり冷蔵室での自然解凍が一番です。美味しい牛肉を食べるためには、購入した冷凍肉を調理前日の夜までに冷蔵室へ移して自然解凍しましょう。
しかし、ショックフリーザーで冷凍した牛肉のように、解凍後に肉汁(ドリップ)がほとんど出ないものもあります。うま味を逃さず手軽に冷凍牛肉を楽しみたい方は、ショックフリーザーで冷凍された牛肉を選ぶと良いでしょう。